楽しいRTライフのために(2)




前回好評だったので、性懲りもなくまた書くことにしました。
ラジエーターホース、キャブレターのネタが4つ、タペット調整の基準値、燃料タンク、最後はスピードのネタです。


1.ラジエーターホースを探しています。
あります。
通信販売のモノタロウというサイトで汎用品が手に入ります。
アッパーもロワーもただの直角ホースだからできるワザですね。
アッパー/ロワーホース:ON-3001 (内径33.5mm)
バイパスホース:HH-3502
バイパスホースは曲げ角度が違うので、少し潰れますが・・
※一番左、アッパーホースがたわんで見えるのは、エンジンマウントを他車流用してエンジン位置が少し上がったからです。
ノーマルの方は全く問題ありません。


2.キャブレターからガソリンが漏れます。
茶色の遮熱板に跡が付いて気が付くというパターンですね。
よくある例は2つ。
[1.サイトグラスのパッキンが劣化して漏れるパターン]
前者の場合は、フッ素ゴムシートという耐ガソリン性の素材が必要になりますが、
ミスミという機械部品の通販サイトに売ってますので使ってみてください。
(法人向けサイトですが、個人でも買えます。)
古いパッキンにガソリン用の液体ガスケットを塗りたくるテもありますが、
その場合は十分に硬化してからガソリンを入れないと、溶けて内側にタレてサイトグラスに付いたら中が見えなくなります。

[2.ドレンプラグのパッキンが劣化して漏れるパターン]
こちらは銅製のシールワッシャを使います。
ない場合は一旦少し緩めて、増し締めしてみると幸福になれるかもしれないそうです。
新品を探す場合は、流用が見付からない場合はモノタロウでお願いします。
サイト内検索で「銅パッキン」で探すと何種類か出てきます。
(大袋から小分けまであります)
ちなみにパッキン用のワッシャは、ネジ用のワッシャより細いので物が違います。


3.キャブレターのフロート室が一杯になって、エンジンが色々調子悪いです。
ありますね、止まったり掛からなくなったり。
よくある理由は2つ。
[1.フロートがパンクしている]
同じRT40の中でも、初期型のキャブレターはフロートが真鍮で出来ています。
真鍮をプレスで曲げて、ロウ付けして中空の箱を作っているわけです。
これに穴が開くと(業界用語でパンクという)、中にガソリンが入って重くなり、フロートが沈み気味になって
ニードルバルブが開き放しになり、フロート室が満水(満ガソリン)になるわけです。
運が良ければ半田付けで直るかも?
ちなみに、モデルライフ途中からプラスチック製のフロートに変更されており、こちらはパンクしません。
サイトグラスから覗き込んで金属が浮かんでいたら真鍮です。
黒くて四角い塊ならプラスチックです。
覗き込んで一喜一憂してください。

[2.ニードルバルブにカスが挟まっている]
これ、気付けば早いし、気付かなければ時間かかります。(←自分はハマった)
燃料配管の劣化ゴムを疑ってみてください。
燃料フィルタの出口がいきなりゴム配管で、これが劣化して崩れると
フィルタでキャッチできないので、そのままキャブに流れてしまうのです。
※私が住んでいる愛知県では「はさがる」といいます。・・どうでもいいか(笑)


4.スロットル/チョークが最後まで戻りません。
固着やリンクの潤滑不良以外で考えられるのが、エアクリーナーケースの締めこみ過ぎのようです。
RT40の初期型の場合、キャブレターのエアホーン(円筒形の吸込口)にバンドで締め付けています。
これを締め過ぎると、ホーンが歪んでどうにもならなくなります。
そこへ熱が加わって、さらに歪んでしまうようです。
結果、チョークやスロットルのバタフライバルブが戻ったり戻らなかったり・・になります。
バタフライバルブが引っ掛かって最後まで戻らない場合は、シャフトにバルブをとめている
ねじを緩めて位置を微調整してみて下さい。
それでも駄目なら、バルブを少し削ることも検討してみて下さい。

モデルライフの途中から改良が入り、キャブレター上部の植込みボルトでエアクリケースを
固定するように変更されています。

あと私が昔やってしまったケースで、キャブクリはリンク類に吹き付けない方がいいです。
グリスだったかCRCだったか、混ざるとネチョネチョになってリンクが固くなります。
ちなみに、潤滑剤にはキンチョールも良いみたいです。ただし自己責任で。


5.キャブレターO/Hキットはありますか?
あります。
神戸の岸田精密工業さんが出しています。
ただし、RT40用のDW30Aというキャブレターは、年式によって違いがあります。
パーツに互換性がありません(特に加速ポンプの形状が違う)
下記に、O/Hキットの純正品番を載せます。
-TAXというのは、タクシー以外という意味。-40TというのはRT40-Tすなわちタクシー車です。
で、これが岸田精密工業さんの品番です。
04211-31011 → K11-200A
04211-31012 → K11-201A
04211-31013 → K11-202A
04211-31015 → K11-203A
昔、皆さんに声を掛けて、他車種も含めて30個以上まとめて発注したことがあります。


6.タペット調整したいです。バルブクリアランスを教えてください。
エンジンの打音が大きくなったり、回転が不安定になったり・・いろいろありますね。
温間で
IN:0.204
EX:0.356
です。
多少音が大きくても、少し開き気味にした方が調子よく走れます。
詰めれば音は静かになるけれど、ディーゼリングしやすくなったり排ガスが基準値超えたり・・
色々やってみて下さい。


7.トランクの中がガソリン臭いです。
たまに聞くトラブルです。
悩んでおられる方、多いです。
ガソリンタンクの上面が錆びて、細かいピンホール状の穴が開きます。
目で見ても分からないほど、小さな穴の場合が多いです。
ガソリンを満タンにすると、臭いどころか実物がトランク内に滲んできます。
どうも内側から錆びるみたいです。
ワコーズのタンクシーラーでコーティングするか、鉄板を張り直すかしてください。
強固な被膜ができるので、大きな穴でない(目に見えない小さな穴)の段階なら、
表側から塗ってもイケるようです。

なお、タンクごと交換する場合の注意点。
センダゲージAssy(残量センサ)には種類があります。
ゲージとタンクのはめ合い部の径が違っており、また取付ボルトの位置も違います。
ケーブル接続部の端子も異なる場合があります。
よくご確認ください。


8.スピードは何キロまで出しても良いですか?
最高時速のメーカー公称値は140km/hです。
でも実際、そんな冗談みたいな速度では走る勇気ないですね・・(汗)
新東名高速道路では最高速度が120km/hの区間もありますが、絶対にそんな速度で巡航してはいけません(きっぱり)
エンジンに優しい巡航速度は80km/hです。
高速道路はトラックと一緒にゆっくり走った方が良い、というのが識者の一致した見解です。
3箇所あるクランクメタルのうち、ミッション側の潤滑が弱く焼き付きやすいです。
エンジン回転数を計算すると・・・
ファイナル3.7 ⇒ 80km/hで2700rpm,100km/hで3400rpm,120km/hで4000rpmです。
オプション4.11 ⇒ 80km/hで3000rpm,100km/hで3800rpm,120km/hで4500rpmです。
最高時速の140km/hの場合、4800rpm(3.7)と5400rpm(4.11)です。

また、あまりスピードを出すとブレーキが付いてきません。
もの凄いジャダーが出て、ほとんど効かなくなります。
悪いことは言いません。80km/hで走ってください。

※発売直後、10万キロ走行試験と称して58日間連続で突っ走った輝かしい記録もありますが、
その時の巡航速度は70~80km/hと言われています。
※ちなみにその時の燃費は11.3km/L で、エンジンオイルの消費は3750kmにつき1Lだったそうです。
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※今回、過去の記録写真で構成してみました。
というのも、写真整理を始めたのです。・・昨日から(笑)
だから今日、このページを作ろうと思い立ったのです(笑)
記録は資産。収拾つかない資産。
気が遠くなります。
あぁ20年前から撮りっ放しにしなければ・・(苦笑)

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